お見合い結婚いたします!~旦那様は極上御曹司~


近付く距離に鼓動が高鳴っていく。


これって、ま、まさか、お迎えってことだったり……⁈


「お疲れ様。終わったかな?」

「へっ……あっ、は、はい!」


やややっ、やっぱり……⁈


固まる私に、成瀬副社長は「じゃあ、行こうか」と微笑みかける。


「はい……」


総務部だけにとどまらず、同じフロアの違う部署の視線までを集めながら踵を返した成瀬副社長に続いて退社していく。

堂々と顔を上げることなんてもちろんできず、自分の足先を見つめながらひたすら前を行くブラウンの革靴についていくと、エレベーターへと乗り込んでいた。

乗り合わせていた人々がエントランスのある一階で降りていき、成瀬副社長と私だけを乗せたままのエレベーターは更に下の階へと下降する。

地下三階の駐車場に到着すると、成瀬副社長はエスコートするように私の背に手を添えた。

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