お見合い結婚いたします!~旦那様は極上御曹司~


「交換、俺が行ってくるから」

「えっ、でも」

「その格好で脚立上る気か」


そう言った曽根に、額の上をコツンとされる。

うちの会社は、女性はオフィスカジュアルが許されている。

総務部はデスクワークだけでない仕事も舞い込む部署だから、私は基本的にパンツスタイルが多かったりするけれど、今日は特に理由なくスカートで出勤していた。


「ごめん……ありがとう」

「二本だよな、行ってくる」


曽根はあっという間にデスクを離れていき、フロアから姿を消してしまう。

その背中を見送ると、立ち上がった椅子に再び腰を下ろした。

蛍光灯の交換は、依頼があれば格好を気にせず普段はやってしまうほう。

だけど今みたいにタイミングが合うと、曽根が行くと代わってくれることもよくある。

曽根に悪いことしちゃったな……。

そんなことを思っている間もなく、美代子ちゃんと私のデスクの間にある備え付けの電話が鳴り始めた。

< 6 / 108 >

この作品をシェア

pagetop