お見合い結婚いたします!~旦那様は極上御曹司~
「おっ、今日は珍しくいい飲みっぷりだな」
送別会も始まって一時間ほどが経った頃、グラスを片手にとなりへ曽根がやってきた。
気付けばみんなはじめの席から移動し、思い思いの場所で飲んで話している。
「うん……ちょっと今日は調子乗ったかも」
自分がお酒に弱い自覚があるから、普段から用心し、制御して飲むようにしている。
だけど、今日はあまり気にしないで飲み続けていた。
「なんだよ、なんかまた落ち込んでんのか?」
グラスをテーブルへと置いた曽根は、「よし、優しい俺が聞いてやるよ」とかなんとか言いながら、私のとなりに腰を下ろした。
「別に、何も落ち込んでなんかないよ」
「またまたぁ。普段あんまり飲まない酒呑んだくれてんだから、ただごとじゃないだろ」
それは、確かにそうかもしれない。
だけど、別に何かに悩んでいるわけではない。
ぼんやりしているうちにお酒が進んでしまったというだけのこと。
強いて言うなら、潤希さんのことを考えてばかりだけど……。
「なんかさ……お前、最近ちょっと雰囲気変わったよな?」