お見合い結婚いたします!~旦那様は極上御曹司~
黙っていた私に、曽根が唐突にそんな話題を切り出す。
急なツッコミに、思わず横の曽根に目を向けていた。
「え……そう、かな?」
目を合わせると、曽根はふいっと視線をはずす。
持ってきた何かの水割りのグラスを手に取り、カラカラと中の氷を鳴らした。
「美容院でカットして、カラーして、メイクをちょっと変えたくらいだけど……」
自分でする髪の扱い方や、メイクの仕方を見直しをしてもらい、教えてもらった通り毎日頑張ってみている。
曽根だけじゃなく、会社で何人もの人に「綺麗になった」とか「垢抜けた」と声をかけてもらったのは確かだ。
「何、なんか心境の変化ってやつ?」
「えっ……いや、別にそんなことは。ちょっと気分転換というか、イメチェン?」
まさか、潤希さんがお見合い相手で、婚約者だとは言えない。
それらしいことを言った私に、曽根は「ふ〜ん」と腑に落ちてなさそうな返事をした。