お見合い結婚いたします!~旦那様は極上御曹司~
「っ、潤希、さんっ……」
次々と仕掛けられる甘美な刺激にくらくらする。
柔らかい潤希さんの唇が鎖骨まで下りてきたとき、私の吐息に混じって静かな寝室に着信音が鳴り響いた。
眼下で顔を埋めていた潤希さんがすっと体を起こす。
私の頬を撫でてほんのりと微笑んだ潤希さんは、ベッドから下り、鳴っているスマホをさっき脱いだスーツのジャケットから取り出した。
応対を始めたのを横で耳にしながら、私は胸を押さえてベッドの上に身体を起こす。
全身が火照ってどうしようもない。
ベッドサイドに立ち、こちらに背を向けて電話応対をする潤希さんの背中に視線を送る。
シャツの上からでもはっきりとわかる肩甲骨や身体の逞しい線に、見ているだけで心臓がうるさく鳴り続ける。
通話を終わらせた潤希さんは振り返り「ごめん」と断った。
「帰国したら早速仕事の呼び出しだ」
「そう、ですか……」
「いじめすぎだっていうお告げかもしれないね」
自嘲気味に笑った潤希さんは、「行ってくるね」と私の頭を優しく撫で、一人寝室を出ていく。
ひとりになっても、しばらく乱れた鼓動は落ち着かなかった。