お見合い結婚いたします!~旦那様は極上御曹司~
緩めたネクタイを締め直しながら玄関へと向かう。
上がってしまった体温を落ち着かせるように、深く息を吐き出した。
返事を任せたら断ってしまいそうだった見合いの席の里咲を、なんとか繫ぎ止めることはできた。
俺にとったら何も気にすることがないというのに、里咲は自分の容姿に自信がないと訴えた。
そんなことのせいで縁談を断られるのだけは御免だと思い、里咲が少しでも自信を持てるよう手配した。
そうすれば、俺のことを見てくれる、縁談を進めてもいいというなら、難しい話ではない。
しかしそれは、ただでさえ里咲が心配な俺を、更に煽る結果となった。