お見合い結婚いたします!~旦那様は極上御曹司~
誰にも触れさせたくない。
色白の肌がほんのり赤くなった里咲を連れ帰りながら、本気で自分だけのものとしてどうにかならないかと考えていた。
自分に自信がないなんておかしなことを本気で言っているだろう里咲は、自分が周囲の男たちからどう見られているのか、きっと気付いていない。
独占したい、はやく自分だけの里咲にしたい。
そんな気持ちが溢れて、つい強引に迫るようなことをしていた。
柔らかく甘い肌に触れて、理性を保てなくなりそうだった。
呼び出されて、正解だったかもな……。
里咲を一人残したまま、冷めない熱に深いため息を吐き出す。
マンションのエントランスに出、駐車場へと向かいながら、ガラス窓に映った自分の嫉妬に狂ったどうしようもない顔に、自嘲めいた笑みが溢れていた。
俺にこんな顔させるのは、君だけだ。
生まれて初めての感情は、どう処理したらいいのかいつまでもわからなかった。