お見合い結婚いたします!~旦那様は極上御曹司~
素敵だと憧れることすらおこがましい。
潤希さんはずっと、私にとっては雲の上の存在で、側に近付くことなんて全く考えられなかった。
そんな人だから、お見合いの相手だと知った時、衝撃が強すぎて受け止めきれなかった。
私なんかが、この方とお見合いをしていいはずがない。
頭の中はその一色に塗り潰されて、何も考えられなかった。
吊り合わないし、誰が見たって滑稽だと思うに違いない。
そう思いながらも始まった潤希さんとのお付き合いは、後ろ向きな私に自信を持たせ、そばにいてもいいのかな、と少しずつ思わせてくれている。
今も変わらず潤希さんを前にするだけで緊張する。
だけど、私だけに向けてくれる優しい笑顔や、外では見せない独占欲をむき出しにした姿を目の当たりにして、自分の中で特別な感情が生まれていることに最近気付いてしまった。
『俺と恋愛してみるっていうのはどう?』
素敵な日本庭園で、潤希さんは私にそう言ってくれた。
あの時は、そんなこと恐れ多いとしか思えなかった。
でも、今はもう――私は、潤希さんに恋をしてしまっている。