お見合い結婚いたします!~旦那様は極上御曹司~
自分の気持ちをしっかりと自覚してから、私の頭の中は潤希さんのことばかりで、無意識にぼんやりと彼のことを考えていたりする。
だけど、好きな気持ちが増大していく中で、私は気付いてしまった。
潤希さんの気持ちが、わからないということに……。
好きだと、口に出して言われたことはない。
そばにいて、恋人のような扱いをしてくれるけれど、そこに私への特別な感情を伴っているかはわからない。
潤希さんを好きだからこそ、気付いたことなのかもしれない。
終業時刻を過ぎ、私は一人、担当した会議室の片付けと戸締りに入っていた。
会議が長引き、予定よりも終了時間が押したせいで、私が残業することになってしまった。
でもそんなことは、うちの部ではよくあることで慣れっこだ。
「お疲れ」
部屋を出る前に指差し確認をしていると、背後から声をかけられた。
「曽根か、うん、お疲れ様。まだいたんだ?」
「ああ、ここの階の倉庫の蛍光灯替えに」
部屋の外に脚立を置いた曽根は、開いたドアから出ようとしている会議室へと入ってくる。
そして、「あのさ……」と何か話を切り出した。
「お前と副社長って、なんなの?」