お見合い結婚いたします!~旦那様は極上御曹司~
副社長――潤希さんのことを口に出され、どきんと心臓が反応する。
真っ直ぐこっちを見つめてくる曽根の目から、不意に視線を逸らしていた。
この間の送別会の時、みんながいる前で潤希さんに連れて帰られたあの一件……。
その後、目撃した部のみんなは、個別にこそこそと事情を聞きに私のところに訪れた。
それには、当たり障りなく『ちょっと色々とありまして』と、濁す対応を現段階では取っている。
潤希さんに今の関係をどこまで公にしていいのか、確認を取りそびれているからだ。
「なんなの、って……ちょっと、いろいろと」
「お見合いしたっていうその相手、あいつなんじゃないのか」
他と同様濁そうとしたものの、核心をついた曽根の言葉につい口ごもってしまう。
普段から何かと鋭い曽根に、隠し事をしようとしたのが間違いだったのかもしれない。
「もし、そうなら……やめておいたほうがいい」
「え……?」