眠れぬ夜に
サトルは高認試験の勉強と大学進学をサポートしてくれる予備校的な学校へ通い、高認を取得したと話してくれた。
数学が偉く苦手だ、とメールを送ったら
―僕でよければ教えるよ
そう言って高認試験を受ける事を奨めてくれたのだった。
アドレスを聞いた日から毎日メールのやりとりをした。高認の話なんて始めだけだった。
ある金曜の昼休みにあたしはサトルに日課のようにメールを送っていた。
週末、そう明日はライブがあるのだ。まだ会った事もないサトルをライブに誘うのはどこか恥ずかしかった。だけども、携帯を打つ指は
―明日いつものハコでライブするから良かったら見に来て
と、送信していた。サトルは明日は午前予備校があるから行けるかわからない、そう返信してきた。
なんとなく淋しくもなり、安心している自分もいた。