上司との結婚は致しかねます
そっと目を閉じるとフッと軽く笑った俊哉さんに文句を言いたくなって、次の瞬間、鼻をつままれていた。
目を見開くと同時にクククッと笑い声が私の目の前からする。
「ん!もう!!」
絶対に笑い上戸だし、思ったより悪戯好きだし!
「キスは離れられなくなるから帰って来てからにするよ。」
甘い言葉を残して「いってきます」と彼は出て行った。
自分からキスするのは恥ずかしかったくせにキスしておけば良かった。なんて少しだけ後悔をしながら静かに閉まるドアを見つめていた。