上司との結婚は致しかねます

 オープンテラスが気持ちいいレストラン。
 待ち合わせよりも早めに来てのんびり過ごす。

「藤花ちゃん。早かったね。」

 手を振るのは真美ちゃん。

 丸っと空いた日曜日。
 久しぶりにランチして買い物でも行かない?って同期の2人を誘った。

 社内でもプロジェクトの関係でお昼を別で食べることも多くて、久しぶりにゆっくり会えるから、真美ちゃんも佳乃ちゃんもノリノリでOKしてくれた。

「突然誘ったのに来てくれて嬉しかった。」

 微笑みを返すと「だって何か嬉しい報告かなって思うじゃない」と佳乃ちゃん顔負けの勘違いなコメントを言われた。

「私もそう思ったよ。」

 佳乃ちゃんも現れて真美ちゃんに加勢する。

「佳乃ちゃんまで……。
 2人とも気が早いよ。
 2人が喜びそうなお話はございません。」

「なーんだ。でも、順調そうではあるみたいだから安心した。」

「ハハッ。うん。まぁそうかな。」

 朝の不安な気持ちが僅かに過って顔に出てしまったみたいだ。

「何かあるの?」と心配されてしまった。

「何かっていうほどじゃないんだけどね。」

 私は昨日の一部始終と、朝の違和感までを2人に話すことにした。

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