上司との結婚は致しかねます
「あぁ。ありがとう。
じゃ交代しよう。」
「交代?」
「ほら、座って。」
起き上がった俊哉さんに手を引かれ、座らされる。
「私は平気です。」
「いいから。真似するだけだから上手く出来るか分からないけど。」
大きな手が肩に置かれてマッサージされる。
「痛くない?」
「えぇ。まぁ。」
「若いからかな。
俺みたいに浮腫んではないんだな。」
「高宮課長はおじさんですものね。」
フフッと笑うと機嫌を損ねた声がする。
「はいはい。どうせおじさんですよ。」
一通りのマッサージが終わると「はい。これはサービスね」と優しくキスをされた。
「もう!普通に接してくれないんですか?」
「悪いね。エロジジイなもので。」
悪びれる様子もなく伸びをしながら「風呂でも入るか」と歩いていく。
振り返って「一緒に入る?」と言うものだから「入りません!!」と強く断った。
クククッと笑う彼は楽しそうだ。
私もこんなことに幸せを感じていて、どうかしてるって苦笑した。