上司との結婚は致しかねます

「あぁ。ありがとう。
 じゃ交代しよう。」

「交代?」

「ほら、座って。」

 起き上がった俊哉さんに手を引かれ、座らされる。

「私は平気です。」

「いいから。真似するだけだから上手く出来るか分からないけど。」

 大きな手が肩に置かれてマッサージされる。

「痛くない?」

「えぇ。まぁ。」

「若いからかな。
 俺みたいに浮腫んではないんだな。」

「高宮課長はおじさんですものね。」

 フフッと笑うと機嫌を損ねた声がする。

「はいはい。どうせおじさんですよ。」

 一通りのマッサージが終わると「はい。これはサービスね」と優しくキスをされた。

「もう!普通に接してくれないんですか?」

「悪いね。エロジジイなもので。」

 悪びれる様子もなく伸びをしながら「風呂でも入るか」と歩いていく。
 振り返って「一緒に入る?」と言うものだから「入りません!!」と強く断った。

 クククッと笑う彼は楽しそうだ。
 私もこんなことに幸せを感じていて、どうかしてるって苦笑した。

< 123 / 181 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop