上司との結婚は致しかねます
「この際だから言っておく。
みんなも聞いて欲しい。
俺は一度も結婚していない。」
一部の人しか知らない事実にみんなざわざわしている。
高宮課長は話すのをやめない。
「そして内田と結婚を前提に付き合っている。
内田へは俺から言い寄って俺が口説いてるんだ。
文句がある奴は俺へ言うんだな。」
文句なんて受け付けるつもりは毛頭ないでしょうと思わせる冷たい顔つきにみんな凍りついた。
騒ぎを聞きつけた部長と次長がやって来て、ざわざわしていたフロアがしんと静かになった。
「なんの騒ぎか説明してくれるかな?
入江さんに高宮くん。
向こうで話そうか。」
部長と次長に連れられて2人は歩いていく。
チラッと見えた入江さんの顔は蒼白で胸が痛くなった。