上司との結婚は致しかねます
「んっ。やっ。」
甘い声が漏れて恥ずかしくなる。
それなのに俊哉さんはやめてくれない。
「可愛い。藤花。
ご飯より先に藤花が食べたい。」
俊哉さんの色気に当てられて立っていられない。
しゃがみこんでいく私にクククッと笑う声がして、手を引かれた。
「キッチンでっていうのも斬新だけどね。
ベッドへ行こうか。」
「でも、ご飯。」
「待てないよ。」
言葉通り立ち上がらせてくれたのに、深いキスをされて、再び立っていられなくなる私は彼へとしがみつく。
「忘れちゃった?」
「何……を。」
「真似っこ。」
舌を出されて言わんとすることが何かに気づいて顔を俯かせる。
「思い出した?
藤花からもしてよ。」
とろとろに溶かされて、私は彼に応えるように真似をする。
すればするほど泥沼のように深みにはまって意識が混濁していく気がした。
「藤花。
何も考えずに俺に溺れて。」