上司との結婚は致しかねます

「おはよう。藤花。」

 甘い囁きに目を開ける。
 微笑む俊哉さんが頬を撫でた。

「ごめんなさい。私、また……。」

「大丈夫。体、痛くない?つらくない?」

 彼は私に触れている時もずっと気遣ってくれていて、僅かにあった怖い思いは吹き飛んでいった。

「平気です。でも、その、俊哉さんはあれで良かったのでしょうか。」

「阿保。俺の心配はいいから。」

「でも……。」

「これからゆっくり慣れてもらう。
 もう手加減いらないと思うと存分に藤花を可愛がれる。」

「手加減は!!必要です!」

 必死の訴えは笑われて承諾された。

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