上司との結婚は致しかねます

 それからは蜜月だった。
 毎日のように肌を重ねて社内でも隙をみてキスをされた。

 こんな毎日を過ごしていいのだろうかって心配になるほどに。

 私達のことは批判されるかと思いきや仕事さえしっかりすれば恋人とペアで仕事が出来ると一躍有名になって、社内恋愛推奨の立役者となってしまった。


 伊織課長のところへ結婚の報告も兼ねて遊びに行くと「やっとか〜」と冷やかされた。

 仕事の話がよほど好きなのか俊哉さんは伊織課長とはプロジェクトの話で盛り上がっている。

 私は愛梨さんと並んで料理を手伝った。

「伊織くんから聞いたわ。
 社内恋愛しやすい環境に俊哉くんと藤花ちゃんが変えたって。」

「いえ。私は何も。」

「謙遜しないの。」

 愛梨さんはチャーミングな顔で笑う。

「私もあと、2、3年後にプラシデス社で働きたくなってきた。」

「2、3年後と言わず今すぐでも!!」

 愛梨さんがいてくれたら私も楽しい。

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