上司との結婚は致しかねます
指輪が奥から出されて私達の前に持ってこられた。
結婚指輪は2人で選んだ。
毎日つけるものだからとシンプルなものにした。
「まさか指輪をつけることになるなんてな」と笑っていた俊哉さんが今まさに私へと指輪をつけようとしている。
手袋を取り、手を取られると微かに手が震えてしまう。
そっと指輪を入れてもらうとジーンと心が熱くなった。
私も彼の手を取って、震える手で大きな男の人の指へ。
震える手はなかなか指輪をはめることができなくて、私の手に俊哉さんが手を添えてくれた。
いつもさり気なく助けてくれる俊哉さんに感謝の気持ちと大好きだなぁって改めて思う気持ちが溢れる。
お互いの指には指輪。
夢ではなくて本当に結婚したんだという実感が湧きて、なんだかものすごく照れ臭い。