上司との結婚は致しかねます
神様の前で夫婦になった宣言を牧師さんがしてくれると「わぁっ」と盛大な拍手が起こった。
俊哉さんと見つめ合って、俊哉さんは私の手を取った。
「気をつけて。」
もう当たり前になってしまった気遣いに頷いて歩く。
写真撮影などを済ませて、教会に併設されたガーデンウェディングが出来る庭へとみんなは先に待ってくれている。
そこを2人で歩むとみんなからのライスシャワーを浴びた。
「おめでとう。」
「おめでとう。」
口々に言われて優しい俊哉さんに寄り添って微笑む。
「さて。本来はブーケトスと行きたいところですが、新郎新婦がどうしてもお渡ししたい人がいらっしゃるとのこと。」
式場の人にマイクを向けられて、私はその人の名前を口にする。