上司との結婚は致しかねます
16.未来へと続く
数年後、走り回る直哉を俊哉さんが追いかけている。
私は大きなお腹を抱えてベンチに腰をかけた。
4歳のやんちゃざかりのお兄ちゃんを持つ、妹なのか、弟なのか……。
今のところは女の子らしいのだけど「女の子は逆転ホームランで実は男の子でしたがあるから気をつけてね」と周りのママから教えてもらった。
どちらでも嬉しい。
男の子ならもっと賑やかになって、きっと私が高宮家のお姫様になるんだろうな。
お姫様なんて恐れ多いのに、そんな風に対応されて、つい応えちゃうのよね。
「ママ姫〜。抱っこ。」
「あらあら。疲れちゃった?」
今はお姫様扱いは名前だけかな?
まだまだ甘えん坊な直哉に微笑んで両手を広げる。