上司との結婚は致しかねます

「フッ。可愛いな。藤花は。」

 髪に手を滑らせて後頭部を支えられてた私は彼のキスに必死で応えるように彼の背中に手を回す。

「まずいな。離せなくなりそう。」

 色気たっぷりの視線が一瞬絡んで私も「離さないで」って言ってしまいそうになった。

「今日はちゃんとしたいから。
 シャワー浴びておいで。
 待ってる。」

 おでこにキスをされて、解放されても、ヘナヘナとその場に座り込んだ。

「何?腰に来ちゃった?
 ったく。本当に可愛くて食べちゃいたくなるわ。」

「だ、ダメです。
 私、食べても美味しくないですよ?」

 頭からバリバリ食べるところを想像して慌てて両手を振ると目を見開いた俊哉さんと目があった。

「つれないな。
 後で食べる気でいるんだけど。」

「!!食べれないです!!!!!」

「フッ。意味、分かってる?
 愛し合いたいって意味なんだけど。」

 愛し……愛……!!

 やっと意味を理解して全身が沸騰したように熱くなる。
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