上司との結婚は致しかねます
「本当、可愛いけど、心配になる。
スレてなくて。
そういう顔も、泣き顔も。
他の男に見せるなよ。
男は女の泣き顔に欲情するんだぞ。」
よく……じょう………。
「じゃ高宮課長も、泣いてた私に欲情したんですか?」
何気なく質問を向けたのに、彼は怒ったような顔をした。
それは高宮課長の時に怒られる顔とは違う。
俊哉さん側で怒られるのは初めての気がする。
「お前なぁ。
本当に頭からバリバリ食っちまうぞ。」
「ひゃぁ。ごめんなさい。」
「分かったらさっさと入る。
髪、乾かしてやるから出たらドライヤー持ってこい。」
うわっ。
甘やかし過ぎな発言に驚きつつも私は先にお風呂をいただくことにした。
なんというか、浮き足立つというか、この後に色々が待っていると思うと平常心でいられない。