上司との結婚は致しかねます
「俊哉さんのこと好きになったので、俊哉さんがいくつだとか、あんまり興味がなかったというか……。
だからって誕生日を知らなかった自分にはガッカリしています。」
「いや。いいよ。
なんか、嬉しいこと聞けたし。」
「嬉しい……こと?」
機嫌が良くなった彼が私の手を取って部屋へといざなう。
「なんですか?嬉しいことって。」
振り返った彼が意味深に口を開いた。
「俺がいくつだろうと俺だから好きだってことだろ?」
「えっと、まぁ、そうです。」
俊哉さんは私を抱き竦めると耳元で囁いた。
「それにプレゼントとしてもらえるなら、もらいたいものあるし。」
「な、なんですか?」
耳を押さえながら聞くと苦笑した俊哉さんが軽いキスをした。
「いや、また今度のお楽しみに取っておく。
邪魔が入ったな。
今日は昼寝にしておこう。」
私を抱きかかえてベッドへと横になった。
私へ触れる手は先ほどの熱は持っていないように感じた。