上司との結婚は致しかねます

「高宮課長。そこまで豹変します?」

 高宮課長の右腕として働いている小塚さんが眉をひそめた。

「阿保。もう偽るのはやめると言ったろ。」

「それにしても俺らへの態度と違い過ぎます。」

「煩い。最近の俺は態度が軟化してて接しやすいんだろうが。
 それもこれも藤花のお陰だ。
 藤花が隣に居さえすれば牙もツノも何もかもなくなるぞ。」

「はいはい。藤花サマサマですね。」

「おい。」

 どこが牙もツノもなくなったのか、恐ろしい形相で小塚さんを睨んでいる。
 けれど、小塚さんは気にも止めずに楽しそうだ。

「おーこわっ。内田ちゃん。頑張って。」

 私に親指を立ててウインクをする小塚さんに「善処します」と答えると笑われた。


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