上司との結婚は致しかねます
私は定時に上がらせてもらってマンションへと帰っていた。
プロジェクトのみんなが帰りな、帰りなと言ってくれて小塚さんには「高宮課長が治るまで内田ちゃんは出勤禁止!」とまで言われた。
幸いにも明日から土日。
どうにかそれで治るといいんだけど。
寝室に様子を見に行くと汗をかいた高宮課長が寝苦しそうな顔で寝ていた。
体調が良くなっているようには見えなくて心配になる。
私は着替えとタオルを持って、もう一度、部屋を訪れた。
「高宮課長?……俊哉さん。
着替えられます?俊哉さん。」
「ん?あぁ。藤花。ありがとう。
居てくれたんだ。」
「いえ。会社に行って帰って来ましたよ?
それも分かってないです?」
「いや。何度かトイレには行ったよ。
枕元にあったお粥も食べた。
ありがとう。」
そうか。食べれたんだ。
辛そうな顔をしてるから無理だっと思って見もしなかったけど。
「汗、すごいんで着替えた方がいいです。
着替えます?」
「あぁ。うん。ありがとう。」
お礼を口にする彼は辛そうで、とてもじゃないけど着替えを置いていったところで着替えそうにない。