上司との結婚は致しかねます
「ダメです!
病み上がりの人が何やってるんですか。
栄養あるものを食べないと元気になれませんよ?」
「んー。まぁ。平気なのに。」
言い出したら頑ななところのある藤花に仕方なく体を離すと鼻をくすぐるいいにおい。
「おうどんにしてみようと思って。
食べられますか?」
鼻をくすぐったいいにおいと野菜がたっぷり入った鍋を見て、腹がグーッと返事をした。
「ほら。お腹は空いてるみたい。」
クスクス笑う藤花に頭をかきながらも幸せを感じる。
「ハハッ。いただくよ。
いつもありがとな。」
頭を抱き寄せてこめかみ辺りにキスをすると顔を離した藤花が……泣いている。
「ちょ、待って。俺、またなんかした?」
動揺する俺に、涙をあふれさせているのに、、笑ってる?
「もう!いいからあっち行っててください!
落ち着いて料理できないじゃないですか!」
涙の理由が気にならなかったわけじゃないけれど、藤花はご機嫌のようだから、このままにそっとしておこう。
せっかくの休日。
恋人らしく過ごしたかった。