上司との結婚は致しかねます
早めに待ち合わせの居酒屋に行くとお店の前で沙羅さんが待っていた。
「沙羅さん!もしかして小塚さんの飲み会に沙羅さんも来てくれたんですか?」
「えぇ。高宮課長の言いつけで。
今日はお姫様を守るナイトの役目よ。」
ウィンクする沙羅さんは可愛いったらありゃしない。
「すみません。変なことに巻き込んで。
行くことを止められないとか言っておいて監視役をつけるような真似して。」
「フフッ。2人とも素直じゃないんだから。
ま、私は嬉しいんだけどね。
実は高宮課長って知ってるんじゃないかって思っちゃう。」
「何をですか?」
今は高宮課長の話題には怪訝な顔しか出来なくて、可愛らしく頬を染めた沙羅さんが耳元で囁いた言葉に目を丸くした。
「私の想い人は小塚くんなの。」
「えぇ!!!!!」
「シー!本人には内緒よ?」
わぁー。
だから今日は一段と可愛らしいんだ。
飲みに来て良かったと心の底から思えた。
「さ、男性陣はまだまだかもしれないから中に入ってましょう?」
照れる沙羅さんに促されて居酒屋さんの中へと入った。