犬猿だったはずの同期に甘く誘惑されたら
だけど、好きになってしまったものはもう仕方ない。
嫌いになろうとか、考えないでおこうとか思ったところで無駄だということはこの悩み続けた数週間がいい証拠になってる。
私は浅香の周りに集る女子たちと笑顔を振りまく浅香を見ながらお酒を飲み続けていた。
「守屋さん、だよね?企画部の。」
前からそんな声が聞こえるまで。
聞いたことの無い声が聞こえて私が真ん前に視線を移すと、同期の中では浅香の次に人気が高いと言われている、三宅 雅也(みやけ まさや)くんが私のことを心配そうに見つめていた。
これまた、綺麗な二重に、整った鼻筋だなぁなんて思いながら彼を見つめると、
「大丈夫?あんまり感情的になってるイメージないから驚いた」なんて眉を曲げて笑われた。