犬猿だったはずの同期に甘く誘惑されたら



「知らないわよ。自分で考れば?
そのセンスがたっくさん詰まった頭で。」



私がそう言うと、まるで最初から私が反抗的な態度をとることが分かっていたように、
浅香はフッと余裕たっぷりに笑った。



「なに、その余裕。」



と少し怒り気味の私の言葉もケラケラと笑い飛ばしたあと



「まぁ、今はいいや。守屋、フキゲンだし?
どーせ今晩、飲んでる時に相談したら親身になって乗ってくれるだろうから。」



なんてセリフを放って、私の肩にポンと手を置いた。


はぁ〜!?一体、なんの自信?
そんなのたまったもんじゃないわよ!


なんて心の声を100%表には出せず、


「だから。私の至福の時間を邪魔しないでって言ってるでしょ?」


と控えめに牽制したけれど。
正直無駄なことは分かってる。


きっと夜になれば浅香は『なごみや』に来るし、
私もなんやかんやで相談にガッツリ乗ってしまうんだろうという未来が予測されて、
今から今夜の展開が憂鬱に思えた。



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