犬猿だったはずの同期に甘く誘惑されたら




週末になって、発表されたのはやっぱり浅香の企画が通ったこと。
そして、私は別のチームの企画のサポートに入ることだった。



自然の流れからいくと、私が浅香の企画のサポートに入るのが筋なのになんで?
そう思っていると、浅香が愛華ちゃんをサポートに指名したという噂が流れた。




なんで愛華ちゃん?



そう思う気持ちが止まらないけれど、それを浅香本人にぶつける勇気もない。



あんなに、私に応援してもらえて嬉しそうにしていたのに。
結局は誰でもよかったってこと?
いや、誰でもよかった訳じゃない。愛華ちゃんを指名してるんだから。



浅香からの信頼は誰よりも厚いと思ってたのに。
「よろしくお願いしまぁーす」と隣で交わされている愛華ちゃんの軽い挨拶も、どうでもいいと思うほど私はショックを受けていた。



『今回の落とす訳にはいかねぇから。』


そう言った彼の真意はまだわからない。
でもきっと何かあるんだ。そう思った。




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