犬猿だったはずの同期に甘く誘惑されたら



「なんで愛華ちゃん指名するかなー。
絶対もりやちゃんの方が仕事しっかりしてくれるし、安心できるのに〜。


っていうか、今までもりやちゃんと浅香くんが組んできた企画、全部ヒットしてるじゃん!」



ランチの時間になって、やっぱり柳原さんは朝の発表ことに関して不機嫌だった。



「まぁ、浅香には浅香なりになにか理由があるっぽいですし…。
ショックですけど、もういいんです。」




「ほんっと。浅香くんって読めない。
何考えてんの!」



「ですね〜。」




柳原さんは私のことを考えてて怒っててくれるけど、私はなぜか朝ほどショックを受けていなかった。


これも、まるで自分のことみたいに腹を立てたり、一緒に悲しんでくれている先輩がいるからかもしれない。
私の気持ちを汲んでランチの時間に愚痴を聞いてくれて。
それだけでも私は幸せものだな〜。



なんてぼんやりと考えていると、



「でも、浅香くん。
『今回の落とす訳にはいかねぇから。』っめなんか、最後の企画してるみたいに聞こえる」



と、白川さんが言い始めた。





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