犬猿だったはずの同期に甘く誘惑されたら
もしこれが事実なんだとしたら...。
私はどうするべきなんだろう。
まぁ、浅香に何も言われないからどうすることも出来ないけど。
浅香が居なくなってしまうかもしれないという現実に、自分が思っているよりもかなりショックを受けた。
このまま離れてしまってもいいんだろうか。
でも逆に、美和の悩みと同じで、
もし万が一浅香と両思いだったとしても、
何年かかるか分からないのに、自ら遠距離恋愛を選択するという決断をしてしまってもいいんだろうか。
まぁまず両思いかどうかも分からないけど。
それに、私の選択の仕方によっては、浅香の気遣いを無駄にしてしまうような気がする。
うーん。どうするべきなんだ??
そんな複雑な気持ちが続いたまま、午後からは別のチームに入って何も無かったかのように仕事をしなければならなかった。
はじめましての人と仕事するのってすっごい疲れる…。
ヘトヘトながらも、やっと自分のデスクに帰ってこれた私はガックリと頭をデスクに落とした。
「元気ないじゃん。どーした?」
右横から聞こえたいつもの低音ボイスにも、転勤のことが頭から抜けない私はどう反応していいのか分からない。