犬猿だったはずの同期に甘く誘惑されたら



私の固い決断を聞くと、「結菜がいいならそれでいいけど...。」と美和は渋々納得したようだった。



「で?いつだっけ?新作コスメの発売日。」


「3月7日」


「だとしたら...今日が2月11日だから。
完全に商品が完成するのは?」



「たぶん、もう1、2週間くらいだと思う。
もう、試作品とかはあがってるみたいだし、あとはどの店に置くのかを営業部と話し合って、パッケージのデザインをデザイン部と話し合って、終わりかな?」




自分で口にしておいて、思ったよりももう別れの時が近づいてきていることにショックを受ける。



「そっか〜。
なんか、こんな終わり方って寂しい...。」



私の分まで辛そうにして、こんなぐちゃぐちゃの恋愛の相談に乗ってくれる美和にすごく感謝の気持ちが溢れる。



「ありがとうね。美和。」


「全然だよ?結菜が1番苦しんでるんだもん」



そう言ってくれる美和をぎゅっと抱きしめて「ありがとう」とめいっぱいの私の心を込めて感謝を伝えた。



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