犬猿だったはずの同期に甘く誘惑されたら
浅香が少し手を緩めて、私を本当に愛おしそうに見つめる。
「結菜。
絶対幸せにする。お前のその幸せそうな笑顔を絶やさないように頑張るから。
俺と付き合って?結菜。」
私の背中に軽く回された腕は緊張からかすごく震えている。
そこまでして真剣に私のことが好きだって。付き合いたいって思ってくれてるんだと思うと泣きそうになった。
「浅香。
私も。浅香のこと絶対幸せにするから。
.......よろしくお願いします」
私がそう答えると、もう待っていたかのように浅香の右手は私の頬に触れ、左手は腰を引き寄せている。
「やっと手に入った。
俺の一番欲しかった、大事なもの。」
そんな浅香の言葉に幸せを感じる細胞の鐘が鳴りまくる。
「結菜。愛してるよ」
彼のそんな甘い言葉とともに優しいキスが降ってきた。
そのまましばらく続くキスは今までとは比べ物にならないくらい甘くて、優しくて、大事にされていることを実感する。
「なぁ。結菜。
俺、お前のこと今すぐ抱きたい。
今から、俺んち来いよ。」
浅香がそんなストレートにこの先を意識する発言をしたのは、私の顔がトロトロに蕩けてしまったあとだった。