犬猿だったはずの同期に甘く誘惑されたら
貴方に甘く誘惑されたら。



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「ね、ねぇ。浅香。」

「ん?」

「ほんとにこっちで合ってるの?」

「あぁ。もうすぐ着く」



さっきの高台から駅に向かうと思っていた私は、浅香が進む方向に首を傾げていた。


駅とは真反対だし、もうすぐ着くって...?



浅香の家に向かってるんじゃないの?


疑問だらけで浅香のあたたかい手に引っ張られるままにあとを歩いた。




「着いたぞ」




その言葉を聞いて、前を向くと、かなり首をあげて見上げるほど高いタワーマンションの前に着いた。



「えっと...?ここどこ?」



「だから、俺んち。」




.......は?



「え、浅香の家って私の最寄りと一緒じゃなかったっけ?」



私と家が近いから毎回送ってくれてたし、なごみやからも歩いて帰ってたし?
もしかしてコイツ、家ふたつ持ちとか?!


いや...さすがにないか。私よりも給料貰ってることは予測されるけど、ふたつも家を持てるほどの給料じゃないはず。



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