犬猿だったはずの同期に甘く誘惑されたら
守屋 結菜(もりや ゆいな) 26歳。
シャルム化粧品の商品企画部で新作案を考え、企画している。
仕事に対しての熱量が大きかったせいか、この4年間はどの恋人とも全然長続きはせず、現在も恋人はいない。
1番に出勤して、みんなのためにコーヒーメーカーをセットして、少しばかり空気の入れ替えをするのは私の日課だった。
それが終わって、今、私が取り掛かっている限定チークの案を練るためにパソコンに向き合っていると、続々と社員が出勤してくる。
「おはようございます〜」
「守屋さん、今日も早いね〜」
「いつもコーヒーありがとう」
なんて朝の軽い挨拶を済ませていると、
「はよ。今日もさみーな。」
なんていつも通り始業時間の9時、ギリギリに隣の席の男は出勤してきた。
彼は私の同期、浅香 孝弘(あさか たかひろ)。