犬猿だったはずの同期に甘く誘惑されたら
ほんと、この男だけは自由奔放というか、人の気持ちが分からないというか...。
いや、分かった上でこんな対応なのかも知れないから、私が思っているよりももっと図太い性格なのかもしれない。
とにかく、私はやっぱりこの傲慢な同期が嫌いだと今日改めて再確認した。そんな私の冷ややかな確認作業なんて知らずに浅香は隣で勝手に話を進める。
「あ、そう言えばさ、俺なんとなくテーマ絞ったわー」
「ん?限定コスメのこと?」
「あーそうそう。」
「スランプとか言ってたのに?
よかったじゃない。で、何にしたの?」
「んー?秘密」
カッチーン。
うん。やっぱり私はこいつが嫌いだ。
と気分を害していると、隣からすかさず
やっぱお前最高、と言う声が聞こえた。
やっぱりこいつ、人の気持ちわかった上での行動してる後者だ。
図太いやつだ。間違えない。