犬猿だったはずの同期に甘く誘惑されたら



「なー悪かったって」

「はいはい」

「機嫌治せよ」

「はいはい」



完全に機嫌を損ねた私に謝罪の言葉を並び立てる浅香を見て、そんなことなら最初から意地悪しなきゃいいのにと思った。


わざわざ人の気に障るようなことして、あとから何回も謝るなんて回りくどすぎる。
はっきり言って、時間の無駄だ。


これ以上気分を害したくない私は、浅香から軽く弾んででる謝罪をテキトーにハイハイと受け流すことにした。



「で、¥#▽〆*$...で決まりな?」

「はいはい」


.......ん?今なんて??


少し長めの言葉に全く耳を傾けていなかった私は、右隣で満足そうに笑う浅香の表情を見て、いたく後悔した。



「ちょっと待って。
ごめん、話聞いてなかった。なに?」



今さら遅いと分かっていながらも、どうか自分に不都合のない事柄であってくれと浅香に内容の確認をする。



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