犬猿だったはずの同期に甘く誘惑されたら
「でももうお前、『はいはい』って納得してたよな?」
「だから、話聞いてなかったんだって。」
「でも、返事したわけだから、社会人として自分の言葉に責任持つよな?」
左手にウイスキーのロックを持ったまま笑いかけて脅してくるコイツはまさに悪魔そのものだ。
しかも、常識ある社会人を目指す私の逃げ場がないような言葉を使ってくるのは、もはや完璧に私の出方を理解しているとしか思えない。
何も言えない私に、妖艶に微笑むと
「じゃ、明日。朝9時。
お前ん家まで迎えに行くから」
と私の予想よりも遥かに厳しい現実を突きつけたのだった。