犬猿だったはずの同期に甘く誘惑されたら



そうして、小綺麗な格好をした私を見てまた、「可愛い」だとか、「似合ってる」だとか適当なことを言って面白がるつもりなんじゃないの?


なんとなく、彼の魂胆が見えた気がして、私は普段通りの格好で行くことを決めた。


白のプルオーバーに淡いイエローのテーパードパンツ。ゴールドのフープ型のピアスを付けて、ベージュのチェスターコートを羽織る。


いつも通りのメイクをして、髪型もコスメパーマでウェーブをかけただけの、いつも通りのスタイルにすると、


先ほど悩みまくって散乱した服たちを片付ける作業をした。


そして、優雅にコーヒーを飲んでいるとピコンと携帯が鳴り、『ついたぞ』とやけにシンプルな浅香からのメッセージを表示した。



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