犬猿だったはずの同期に甘く誘惑されたら



ネイビーのストライプスーツに洒落たブラウンのネクタイ。
黒いステンカラーコートに巻いたボルドーのストールはいいアクセントになっていて、
彼のセンスの良さを表している。


浅香とは入社当時からずっと同じ商品企画部で働いてきたけれど、なにせ、この男。
要領がよくて、頭がかなりキレるらしい。


浅香が提案した企画は商品化されることが抜群に多くて、しかもヒット商品へと繋がる確率がかなり高い。


つまり、抜群に仕事がデキるのだ。


そのうえ、170cm後半は確実にある身長に、女子がトキメク低音ボイス。
切れ長の目に、すっと通った鼻筋。
さらに、色っぽい唇を兼ね備えていて、

彼を初めて見た時は、本当に彫刻かと思った。


つまり、出来すぎている。


しかも、そのことを彼は自覚済みだ。



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