犬猿だったはずの同期に甘く誘惑されたら
聞きたいけど、今は集中してるし邪魔したくないから、また今度機会があったときに聞こうかな。
今日のところは諦めて、研究部に行って私の思うチークがどのくらいの予算で出来るか、相談しに行こう。
と私が決心したところで、
「守屋、ちょっといいか?」と私たちのチームを取りまとめてくれている真田チーフに呼ばれた。
「わりぃ。これ、明日の会議の資料なんだけど、何故かページが所々抜けてるみたいでさ...
ほんとに悪いんだけど、桜木と一緒に直してやってくれないかな?」
申し訳なさそうな真田チーフの横にはしょぼんとした様子の愛華ちゃんがいる。
なるほど。
この資料を愛華ちゃんが作ったけど、なんらかのミスで不十分になっちゃったという訳ね。
で、終業時間の17時にはまず終わらないであろうと判断して、少しでも残業代の削減と再チェック要員として、私に依頼しているということか。