犬猿だったはずの同期に甘く誘惑されたら
正直言うと、早く帰ってなごみやのビールを飲みたいところだけど、これも仕事だ。
沈んでる愛華ちゃんも気になるし、やるしかない。
分かりました。と出来るだけ嫌な気持ちを隠すように笑顔で答えると、愛華ちゃんが申し訳なさそうにペコりと頭を下げた。
とりあえず、狭い空間では作業しにくいと判断して、
私たちは明日この資料を使って行われる会議の会場となる会議室2に移動した。
「守屋さん。ほんとすみません。」
申し訳なさそうな愛華ちゃんの声が部屋中に響く。
「いいよ?こんなにたくさん部数とページ数がある資料1人で作ってたら大変だよね?」
私がそういうと、愛華ちゃんは少し気を軽くしたように眉を八の字にして笑った。