犬猿だったはずの同期に甘く誘惑されたら



それにもっと癪なのは、コイツは気まぐれにこうやって私を誘ってくることだ。



毎日誘われても確かに鬱陶しいだけだけど、
私が予測するに、
『なごみや』に来る日はきっと、
女の子が捕まらなかった、
もしくはコイツがそんな気分じゃない日。
なんだろう。



なんとなく、いいように暇つぶしに付き合わされている気がして、どうも気分がよろしくない。



あーダメだ。浅香の事考えてたらすごい腹立ってきた。


なんてムカムカしていると、あってもなくても意味が無いような消化的な朝礼が始まった。


部長の話を隣であくびしながら聞いてる浅香は、今日も朝帰りか、ホテルから直行したのかもしれない。



くそ〜。なんでこんなヤツが仕事出来るんだか!



なんて思うけど、仕方がない。


才能というのは、何ものにも代えられない賜物だ。



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