犬猿だったはずの同期に甘く誘惑されたら
完全に肯定の回答をした私に、ほかの3人は分かりやすく、ニヤニヤと笑い始める。
「ドキドキして、キュンキュンして、男女の関係を意識して...。こんだけの状況証拠があるんだから、
結菜は恋愛的意味で浅香くんのことが好き。
これで間違いないんじゃない!?
なにを迷ってるっていうの??」
なんて、かなり論理的で説得力のある美和の言葉が私に降りかかる。
私だって、最初はそう思った。
あの日のデートはすごくドキドキしたし、久しく忘れていた恋愛を思い出したような気がしてたから。
それに、ここ最近も浅香に近づく愛華ちゃんを相当気にしてたのも事実だし。
自分でも分かるくらいしっかり嫉妬してる。
だけど、私の心の中で恋愛的意味の好きだとは思えないことが一つだけあるのだ。
「嫌いなとこばっかなの。
アイツのこと思うと、ほんとに。
嫌いなところばっかり出てくる。」