犬猿だったはずの同期に甘く誘惑されたら



そんな私の言葉に、さっきまでヅカヅカと私を責めていた2人がピキっと固まってしまった


そう。私のまさに自分で自分の気持ちに対して、こんな反応なんだ。


好きかと思いきや、私の頭の中では嫌いなところが羅列されていく。
一つドキドキした気持ちになれば、3つ・4つと浅香の嫌いなところが思いついてしまうんだ。



だから、好きとはまた違った感情なんじゃないかと思って、戸惑っているわけだ。

やっぱり、こんな複雑な思いは、他の人にもなかなか理解してもらえないのかな。
私が自分自身の優柔不断さに落ち込んでいると、



「それは、もりやちゃんが浅香くんのことよく理解してるからだよ」



今までじっと黙って話を聞いてくれていた白川さんが言葉を発した。



「嫌いなところが沢山浮かぶのは、その人のことそれだけ知ってるってことでしょ?

それに、そんなにも嫌いなところがあるのに、ドキドキしたり、キュンキュンしたり出来たんだよね?


それって、本当に好きじゃないとそうならない気持ちのような気がするけどな?」



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