キミと歌う恋の歌
ああ、あの子も私と一緒だ。





窓から見える学校前の大通り、色とりどりのランドセルをからった小学生たちが早々と下校をしている。




その中で3人それぞれ違った色のランドセルをからった女の子たちがはしゃぎながら楽しそうに帰っている。




その後ろに真っ赤なランドセルをからって一人でとぼとぼと帰る女の子がいる。




時折、前の3人組を見て、また顔を落とす。




だんだんと長くなっていく自分の影と睨めっこをするようにじっと見つめる。




もしかしたら前の3人組が急に後ろを振り返って自分に声をかけてくれるんじゃないか、そんな期待をしているように見えるのはきっと間違いじゃない。




だって私も同じだったから。




小学校6年間、付け加えて、幼稚園3年間、中学生3年間、高校生になって約10ヶ月、計12年10ヶ月間、ずっと一人で生きてきた。




一人でいる方が楽だからなんていう、一匹オオカミタイプでは決してない。




友達が欲しい。




授業中にこっそり手紙を交換するような、




休み時間に1つの席に集まって昨夜のドラマの話で盛り上がったりするような、




そんな友達が人並みに欲しかった。




でも、自分から声をかけることができなくて



お前はつまらない人間だと、拒絶されることが怖くて願いは届かず今日も私は1人でいる。




赤いランドセルのあの子の気持ちが手に取るようにわかる。




< 2 / 152 >

この作品をシェア

pagetop