キミと歌う恋の歌
朝から眩すぎる光に羨望の眼差しを向けていると、
隣から強い衝撃を肩に感じ、バランスを崩してよろけたまま廊下に尻餅をついてしまった。
ぶつかった女子は近くまで来た上野くんに話しかけていた。
頬を蒸気させながら話すその子はこっちには目もくれない。
気づけば近くからクスクスという笑い声が自分に向けられていることに気づいて、慌てて立ちあがろうとすると、眼下に突然上靴が現れた。
「大丈夫?」
あまりかけられることのない温かく柔らかい口ぶりに肩を振るわせた。
顔を上げると、そこには手をこちらに差し出す上野くんがいた。
まずい、注目を浴びてしまう。
今は幸運なことに影の薄い地味な生徒ポジションに落ち着いているのに、ここで上野くんの手なんかとったらどんなことになるか。
想像しなくったってわかる。
現在の、私たちを取り囲む女子の冷たい目線がまさにそれを証拠付けてる。
私みたいな落ちこぼれは目立っちゃいけない。
出る釘は打たれる。
「あ、だ、大丈夫です。すみません」
俯いたまま、どもりがちに答えて勢いよく立ち上がった。
だけど、あまりに態度が悪いとこれまたファンクラブの方々に袋叩きにあってしまいそうなので、深々と頭を下げてその場を離れた。
背後から追ってくるいくつもの視線をビシビシと感じていたが、拳を握りしめて振り向かないようにして教室まで歩いた。
隣から強い衝撃を肩に感じ、バランスを崩してよろけたまま廊下に尻餅をついてしまった。
ぶつかった女子は近くまで来た上野くんに話しかけていた。
頬を蒸気させながら話すその子はこっちには目もくれない。
気づけば近くからクスクスという笑い声が自分に向けられていることに気づいて、慌てて立ちあがろうとすると、眼下に突然上靴が現れた。
「大丈夫?」
あまりかけられることのない温かく柔らかい口ぶりに肩を振るわせた。
顔を上げると、そこには手をこちらに差し出す上野くんがいた。
まずい、注目を浴びてしまう。
今は幸運なことに影の薄い地味な生徒ポジションに落ち着いているのに、ここで上野くんの手なんかとったらどんなことになるか。
想像しなくったってわかる。
現在の、私たちを取り囲む女子の冷たい目線がまさにそれを証拠付けてる。
私みたいな落ちこぼれは目立っちゃいけない。
出る釘は打たれる。
「あ、だ、大丈夫です。すみません」
俯いたまま、どもりがちに答えて勢いよく立ち上がった。
だけど、あまりに態度が悪いとこれまたファンクラブの方々に袋叩きにあってしまいそうなので、深々と頭を下げてその場を離れた。
背後から追ってくるいくつもの視線をビシビシと感じていたが、拳を握りしめて振り向かないようにして教室まで歩いた。