キミと歌う恋の歌
私なんて津神くんどころか、隣の席の女の子にも無視されるかもしれない、いやされるだろうという思いしか抱けないまま、話しかけられずに10ヶ月が過ぎた。



皮肉ではなく彼女たちのことを尊敬している。



今だって、自分たちで話す順番を決めているのか、交代に女の子たちが喋っているというのに津神くんの瞳には何も映っていなくて、しかもヘッドフォンを付けているから声も聞こえていないと思う。



1人になりたいとかもうそんなことすら考えていないのかもしれない。



どれだけ人が集まっていても、彼の心は1人だ。



例え、近くに何人女子がいたって、その間には薄く硬い壁があってそこから先には立ち入らせないのだ。



彼はいつもなんの音楽を聴いているんだろう。


< 25 / 152 >

この作品をシェア

pagetop